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「相模原市 新たな大都市制度検討報告書」をまとめました 発表資料 平成25年7月分 | 相模原市

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全文

(1)

本市が実現をめざす新たな大都市制度の基本方向

「相模原市 新たな大都市制度検討報告書」をまとめました

■趣旨

本市では、大都市制度検討の必要性を整理し、指定都市市長会が提案する「特別自治市」 を基本に、新たな大都市制度について検討を行いました。

なお、本報告書は、国の第30次地方制度調査会による「大都市制度の改革及び基礎自治 体の行政サービス提供体制に関する答申」でも言及されている、いわゆる「二重行政」を解 消する必要性や、都市内分権による住民自治の強化などを踏まえ、本市がめざす新たな大都 市制度の基本方向について取りまとめたものです。

■今後の進め方

・ 指定都市市長会等を通じて、引き続き、特別自治市制度の早期創設を推進します。

・ 国の第30次地方制度調査会の答申を踏まえた大都市の事務権限等の拡充に的確に対 応しながら、特別自治市を基本に本市にふさわしい大都市制度のあり方を検討します。

・ 有識者を交えた議論の場を設けるなど、これまでの検討結果を深化させます。

・ 検討成果について、市民への情報提供・情報共有の手法についても検討を進めます。

■添付資料

「相模原市 新たな大都市制度検討報告書」(概要版・本編) 1 大都市制度検討の必要性

○時代・社会的背景 ○大都市が果たすべき役割 ○指定都市制度の課題 2 新たな大都市制度の姿

○大都市が今後めざすべき姿

○めざすべき姿を実現するための「特別自治市」(「特別自治市」の基本的な考え方と効果) 3 本市のめざすべき基本方向

○「特別自治市」制度の早期創設を推進 ○特別自治市実現までの間の取組 平成25年7月3日

相模原市発表資料

■相模原市 新たな大都市制度検討報告書の概要

問合せ先 広域行政課

電話 042-769-8248

(2)

【大都市が今後めざすべき姿】

・ 大 き な 経 済 的 ポ テ ン シ ャ ル を 持 つ 大 都 市 の 特 性 と役割を最大限に発揮

・住民自治を拡充し、地域の特性を最大限に引き出 す取組を進める

・自治の仕組みを基礎自治体優先へ

・さらなる事務権限の移譲と財源の確保

【めざすべき姿を実現するための「特別自治市」】

・指定都市市長会が新たな大都市制度として

「特別自治市」を提案

≪基本的な考え方≫

・現行制度で、国や道府県の事務とされているも のも含め、地方が担うべき事務を総合的に担う

・市域内の地方税は、道府県税も合わせすべて 一元的に賦課徴収

・税源移譲による財源の確保

・住民自治、住民参加機能を充実させるために、 区役所の機能強化等、都市内分権の推進

・広域的課題等の広域自治体が補完している事業 は、特別自治市を中心とした基礎自治体間の水 平連携による対応を推進

≪効果≫

・二重行政の解消、財政の自立

・地域の実情に応じた柔軟性のある行政の推進

・圏域の経済発展に貢献

・日本全体の経済成長をけん引

・東京一極集中の是正・大規模災害時のリスク分散 市民サービスの向上・都市の活性化へ

【時代・社会的背景】

・昭和 31 年に特別市制度に代えて暫定的に 創設された指定都市制度

・明治期以来120年余り変わらない道府県 制度

・都道府県の改革を含む道州制議論の展開

・地方分権改革の進展

・逼

ひっ

迫する地方財政

・国・地方間の税源配分の乖

かい

・人口減少、少子高齢社会の到来

【大都市が果たすべき役割】

・先駆的な都市行政

・広域的な都市圏の拠点的役割

【指定都市制度の課題】

・いわゆる「二重行政」の弊害

➢ 道 府 県 と 指 定 都 市 が 類 似 す る 施 策 や 施 設

➢ 指 定 都 市 が 行 っ て い る 事 務 事 業 の 一 部 の 権 限 が 道 府 県 に 残 っ て お り 包 括 的 な 権限が無い

・大都市の役割に見合わない税財源

➢現行の地方税制は、事務権限に関わりな く画一的

・住民自治のさらなる拡充の必要性 1 大都市制度検討の必要性

基 本 方 向

●大都市のあるべき姿としての「特別自治市」制度の早期創設を推進

・大都市が一元的に行政サービスを提供できるよう、事務権限とその役割に見合う自主財源を 制度的に保障する新たな大都市制度を創設した上、大都市と近隣自治体を含む圏域全体が 成長していくことが重要

➢住民に最も身近な基礎自治体が地域の特性を生かした施策を効果的に展開

➢大都市が住民に身近な施策を展開しつつ、圏域の水平連携の核としての役割を担う

・道州制の議論も視野に入れつつ、特別自治市の制度実現をめざしていく

特 別 自 治 市 実 現 ま で の 間 の 取 組

●「特別自治市」の制度創設に向け他都市と連携し 国への要望等を行うとともに、県等からの事務権限 の移譲や税財源の確保に向けた取組をさらに進め、 実質的に特別自治市に近づける

① 事務権限と税財源の確保

戦略的土地利用の促進に大きな影響を及ぼす農地等に関する法律等、地域の活性化や地域の実情に応 じた柔軟性のある行政運営を可能とする包括的な権限とそれに見合う税財源の確保のための取組

② 道州など広域自治体が担うべき業務の検討

環境対策や上水道事業、警察業務などについて、業務の効率性や効果などの観点から、実施主体のあり 方や広域自治体への負担金方式を含めた適切な財源配分等を引き続き検討

③ 圏域行政を推進

圏域内の水平・対等な連携と圏域全体の中枢的な役割を果たすための取組(県内のみならず都県を越え た近隣自治体との公共施設の共同利用等)

④ 都市内分権による住民自治のさらなる充実

現行の行政区制度の下、区役所機能の強化(商業振興、防災、地域福祉など)を図るなど、住民自治の充 実に向けた取組を推進

※今後の進め方

・ 国の第30次地方制度調査会の答申を踏まえた大都市の事務権限等の拡充に的確に対応しつつ、 相模原市にふさわしい大都市制度のあり方及び今後の具体的な取組について引き続き検討 3 本市のめざすべき基本方向

[検証] 「特別自治市」移行による県財政に与える影響

本市では、大都市制度検討の必要性を再整理し、「特別自治市」移行による県財政に与える影響等を考慮しながら、「特別自治市」を基本に本市のめざすべき基本方向について検討を行った。 なお、制度実現までの間の取組として、圏域行政の推進や「都市内分権」による住民自治のさらなる充実、区役所機能の強化等の取組の必要性について検討を行った。

2 新たな大都市制度の姿

●本市が特別自治市に移行し、市域分の地方税を一元的に賦課徴収することとなっても、県並びに 県内の他の市町村への財政的影響は少ないものと考えられる。

相模原市 新たな大都市制度検討報告 ~本市のめざすべき基本方向~ (概要)

・神奈川県の県税収入額(約1兆円)に占める相模原市域の県税収入額(約690億円)の割合は約6.9%。

・一方、神奈川県の人口(約900万人)に占める相模原市の人口(約72万人)の割合は約7.9%。

・このように、人口の割合に比べ県税収入の割合は 1%程度低く、税源が本市に偏在しているとは言えないため

※県税収入額は平成 22年度県税統計書、人口は平成 22 年国勢調査

平成 25 年 7 月

現行

国 県

基礎自治体

指定都市

基礎自治体

特別自治市

本市のめざすべき基本方向

基礎自治体

特別自治市

国 県

基礎自治体

指定都市

(3)

相模原市 新たな大都市制度検討報告書

~本市のめざすべき基本方向~

平成 25 年 7 月

相 模 原 市

(4)

はじめに

指定都市制度を含む現行の大都市制度については、指定都市への不十分な権限移譲 や大都市の役割に見合わない税財政制度等を課題として、従来から指定都市市長会を はじめ、横浜市、大阪市、新潟市などから現行制度に対する問題提起や提案が活発に 行われている。大都市制度の改革により、効率的な行政体制のもと、市民サービスの 向上と地域経済の活性化を図ることは、圏域ひいては日本の経済成長を牽引していく うえで必要な取組である。

こうした状況を踏まえ、本市においても、庁内検討組織である「相模原市新たな大 都市制度検討会議」を立ち上げ、大都市制度改革の必要性を再確認し、大都市である 基礎自治体がめざすべき姿について論点を整理するとともに、本市のめざすべき基本 方向について、指定都市市長会が提案する「特別自治市」を基本に検討を行った。

一方、この検討と並行して、平成23年10月には「指定都市7市による大都市制度 共同研究会」が発足、本市を含めた7つの指定都市(さいたま市、千葉市、川崎市、 横浜市、相模原市、京都市、神戸市)で、「特別自治市」に関する具体的な検討を進 め、平成25年4月に「特別自治市」の早期実現に向けた報告書を取りまとめた。

また、広域自治体との関係や近隣市町村を含めた圏域全体との関係、本市が特別自 治市に移行することによる神奈川県財政や県内市町村への影響についての検証、さら には、区役所機能の強化等「都市内分権」による住民自治のさらなる充実を図ること についても検討を行った。

なお、平成25年6月には、国の第30次地方制度調査会により「大都市制度改革及 び基礎自治体の行政サービス提供体制に関する答申」が行われ、指定都市と道府県の 間で顕在化しているいわゆる「二重行政」を解消する必要性や、都市内分権による住 民自治の強化などについても言及されていることから、本報告書はこれらも考慮しつ つ取りまとめたものである。

(5)

目 次

1 大都市制度検討の必要性 ··· 1

(1) 時代・社会的背景 ··· 1

(2) 大都市が果たすべき役割 ··· 3

(3) 指定都市制度の課題 ··· 3

2 新たな大都市制度の姿 ··· 6

(1) 大都市が今後めざすべき姿 ··· 6

(2) めざすべき姿を実現するための「特別自治市」 ··· 6

[検証] 「特別自治市」移行が県財政等に与える影響 ··· 8

3 本市のめざすべき基本方向 ··· 11

(1) 「特別自治市」制度の早期創設を推進 ··· 11

(2) 特別自治市実現までの間の取組 ··· 11

今後の進め方··· 13

(6)

1

1 大都市制度検討の必要性

(1) 時代・社会的背景

地方自治制度を取り巻く社会環境の変化やこれに伴う課題など、前提として捉 えておくべき現状等について整理することとした。

ア 暫定的に創設された指定都市制度

○ 地方自治法制定時(昭和 22 年)に、「特別市制度」が創設されたものの、 この制度をめぐり、5大市と5府県が激しく対立したことから、昭和31年に 当面の暫定措置として「指定都市制度」が誕生した。

○ 特例的・部分的で一体性・総合性を欠いた事務配分やこれに見合わない税 財源措置等の課題がある。

イ 都道府県改革を含む道州制議論の展開

○ 地方自治法に基づく二層制(都道府県・市町村)は制定以来 60 年以上経 過し、道府県制度は明治期以来120年余り変わっていない。

○ 身近な行政としての基礎自治体の役割が増大し、平成の合併により規模・ 能力が拡大した大都市等(基礎自治体)の増加や事務移譲の拡大により、道 府県事務の空洞化が進行している。

○ このような状況の下、都道府県改革を含む道州制導入の議論が行われてい る。

○ 本市では、道州制推進知事・指定都市市長連合に加入し、地方分権型の道 州制を推進する立場から制度設計に向けた協調行動に参画している。 ウ 地方分権改革の進展

○ 持続可能な社会の維持のためには、国と地方の役割分担を明確にした上で、 地方公共団体の自主性・自立性を高め、地域の実情に即して決定できる仕組 みが必要である。

○ 地方分権改革は、いわゆる第1次一括法、第2次一括法の施行に続き、第 3 次一括法が施行されるなど一定の進展がみられるものの、依然として地方 に満足な権限や財源が移譲されず、十分であるとは言えない。

エ 逼

ひ っ

迫する地方財政と国・地方間の税源配分の乖

か い

○ 地方財政における借入金残高は、減税による減収の補てん、景気対策等の ための地方債の増発等により、平成 24 年度末には約 200 兆円、対GDP比 も41.8%となり、平成3年度から約3倍、130兆円の増となっている。

○ 高度経済成長期に整備されたインフラを含む公共施設等は、特に大都市に 集中しており、今後更新や大規模改修等の時期を迎え、その費用はさらに増

(7)

2

大することから、近隣自治体との広域的な連携による施設の相互利用など、 柔軟な対応についても検討していく必要がある。

○ 現状における国・地方間の「税の配分」は概ね 64 であるが、地方交付 税、国庫支出金等も含めた「税の実質配分」は概ね 28 であり、依然とし て大きな乖離が存在している。

○ このため、国と地方の役割分担の大幅な見直しと併せて、地方が自由に使 える財源を拡充するという観点から、国・地方間の税財源の配分のあり方を 見直すことが求められている。

オ 人口減少、少子高齢社会の到来

2010年の国勢調査に基づく人口推計では、2060年(50年後)の日本の人 口が約 8,670万人(ピーク時の2/3 程度)に、本市の人口は約54 万人(ピ ーク時の3/4程度)にまで減少するとされた。

○ また、年少人口の割合は、人口減少と同じく低下を続ける一方、高齢者人 口は増加を続け、2060 年には高齢化率 42.3%と超高齢社会となることが見 込まれている。

○ このような状況からも、人口減少、少子高齢社会にふさわしい住民サービ スの充実が求められている。

≪人口推計≫

2010

(国勢調査)

人口ピーク

(推計値)

2060

(推計値)

人口減少

(2010→2060) 相模原市推計 717,544 732,233

2019 542,692

▲174,852

▲24.4%

128,057,352 128,057,352

2010 86,736,765

▲41,320,587

▲32.3%

出典:平成22年国勢調査に基づく相模原市の将来人口推計(H25.1 さがみはら都市みらい研究所)

(8)

3

(2) 大都市が果たすべき役割

大都市が、自らの都市内において果たすべき役割と近隣市町村を含む広域的な 圏域で果たすべき役割について整理した。

ア 先駆的な都市行政

○ 大都市は、人口の集中、産業や高次都市機能の集積などの状況から、これ ら特有の行政需要に応じた行政サービスを提供する必要がある。

○ 一方で、人口減少や少子高齢化の進展など新たな課題への先駆的な取組な ど、全国のモデルとなって都市行政を先導していく役割も期待されている。 イ 広域的な都市圏の拠点的役割

○ 大都市は、都市機能が一般市よりも多様なため、商業、業務、教育・文化、 医療、情報発信、産業流通などの面で、広域的な拠点の役割を担っている。

○ また、都市圏全体の活性化、発展のための拠点・エンジンとしての役割も 果たしていく必要がある。

(3) 指定都市制度の課題

道府県との間におけるいわゆる「二重行政」や不十分な税財政制度、住民自治 のさらなる充実の必要性について整理した。

なお、二重行政に関しては、本市における状況を明らかにするため庁内調査を 実施した。

ア いわゆる「二重行政」の弊害

○ 指定都市への事務権限の不完全な配分(一元的な事務執行が不可能)や道 府県と指定都市の類似施策の実施等により、必要な財源や人員の重複による 行政経費の増加などの弊害が生じている。

○ 二重行政には次の三つの類型の事務があるとされている。

・重複型:任意事務で広域自治体と基礎自治体双方が実施しているものや、 法定事務で双方に義務や努力義務が課されているもの。

・分担型:同一・類似事務について広域自治体・基礎自治体が事業規模等に より役割分担をしているもの。

・関与型:基礎自治体が行う事務について広域自治体の関与が存在するもの。

出典:第30次地方制度調査会第14回専門小委員会資料より抜粋

○ 本市が平成 24 年 9 月に実施した「大都市制度検討に関する事務・権限の 庁内調査」においても、次の表のとおり、指定都市への事務権限の不完全な 配分に起因した様々な制約や事業の速やかな執行が妨げられている等の課 題があげられた。

(9)

4

≪庁内調査結果における主な課題≫

○都市計画法

都市計画区域の指定、都市計画区域の整備、開発及び保全の方針に関する都市計 画の決定、区域区分(市街化区域と市街化調整区域との区分)の決定

【課題】市の区域内に関する指定等にもかかわらず、権限を保有していない ため自主的なまちづくりの推進に支障がある。

○農地法

農地転用の許可、農地又は採草放牧地の転用のための権利移動の許可

【課題】許可権限が国・県にあり、具体的な土地利用を進める際に時間を要 する状況にある。

○農業振興地域の整備に関する法律

農業振興 地域の指定 及び農業振 興地域整備 計画の策定 に関する農業振興地域整 備基本方針の策定、農業振興地域の指定、市町村農業振興地域整備計画の策定

【課題】市の区域内に関する指定にもかかわらず、権限を保有していないた め農業振興を踏まえたまちづくりに向けた主体的な取組に支障がある。

○学校教育法

私立幼稚園の設置・廃止等の認可

【課題】市域内に所在する子育て支援の資源であるにもかかわらず、教育分 野と福祉分野の制度の違いにより、一元的な活用ができない状況にある。

○就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律 認定こども園の認定

【課題】権限を保有していないため、子育て支援に関する資源の一元的な把 握等に支障がある。

○地方教育行政の組織及び運営に関する法律

条例による県費負担教職員の定数の決定、市町村別・種類ごとの県費負担教職員 の定数の決定

【課題】権限を保有していないため、必要に応じた教職員定数の決定等が行 えない。

イ 大都市の役割に見合わない税財源

○ 指定都市には道府県から移譲されている事務や、人口の過密・集中に対応 した都市インフラ整備や安全・安心の確保など、大都市特有の行政需要があ る。

○ しかしながら、地方税制度は画一的であるため、大都市が担う事務に見合 う税制上の措置が不十分であり、大都市特有の行政需要に対応できていない 状況である。

(10)

5

≪大都市特例事務に係る税制上の措置不足額 (平成24年度予算)≫

出典:大都市財政の実態に即応する財源の拡充についての要望(平成25年度) 指定都市 より抜粋

ウ 住民自治のさらなる拡充の必要性

○ 住民に最も近い基礎自治体である指定都市においては、地域住民の意見を 市政へ反映させるべく、住民自治のさらなる推進に取り組むことは不断の課 題である。

○ 今後も地域住民の意見を市政へ反映させるべく、行政区制度を活用した都 市内分権を強化するなど、住民自治のさらなる充実に取り組む必要がある。

<本市における現行の取組>

・区制の導入により、各区に区役所と本庁出先機関(税、健康福祉、土木など)を 配置し、区民に総合的な行政サービスを提供する体制を整備した。

・各区や市内22の地区の特性を生かしたまちづくりを進めるため、市長の附属機関 として「区民会議」を設置したほか、各地区には住民主体による「まちづくり会 議」が設置されている。

・各区において区ビジョンを策定(平成248月)し、ビジョンの実現に向けた活 発な議論や新たな地域活動が展開されるなど、市民との協働によるまちづくりが 着実に展開されている。

(11)

6

2 新たな大都市制度の姿

(1) 大都市が今後めざすべき姿

○ これまでの検討から、大都市は大きな経済的ポテンシャルを持つ大都市の 特性と役割を最大限に発揮していくこととあわせ、住民自治を拡充し、地域 の特性を最大限に引き出す取組を進めていくことが強く求められている。

○ 大都市がめざすべき姿を実現するためには、基礎自治体優先の原則を徹底 し、大都市がさらなる事務権限とその事務に見合った税財源を持つことが不 可欠。

(2) めざすべき姿を実現するための「特別自治市」

平成23年7月に指定都市市長会が、大都市の潜在能力を極限まで引き出し、日 本をけん引するエンジンとなるための選択肢として、新たな大都市制度である「特 別自治市」の創設を提案した。

また、指定都市7市(さいたま市、千葉市、川崎市、横浜市、相模原市、京都 市、神戸市)においても共同研究会を発足し、指定都市市長会が提案する特別自 治市構想に基づき、特別自治市の必要性や基本的枠組み、創設の効果などについ て、具体的な検討を行い、平成254月に報告書をまとめた。

特別自治市の「基本的な考え方」と「効果」の概要は以下のとおりである。 ア 基本的な考え方

○ 現行制度で国や道府県の事務とされているものも含め、地方が担うべき事 務を総合的に行う。

【特別自治市が担うべき主要な業務】

・雇用施策を福祉施策や雇用増をめざした経済活性化策とともに一体的に行う。

<具体例> ハローワーク、職業訓練、職業紹介、生活保護、公営住宅、企業支援、 商店街の活性化など

・地域の実情にあった教育施策を一元的に行う。

<具体例> 義務教育教職員の給与、学級編制・教職員定数、教職員の任免、 小中学校の設置・運営

・地域の実情にあった子育て支援策を一元的に行う。

<具体例> 認定こども園、幼稚園、保育所 ・その他

<具体例> 市域内の道路(高規格幹線道路除く)の管理、医療関係施策、 旅券発給、警察、都市計画、児童相談所、消防

※下線は新たに特別自治市が担う事務と一部指定都市の既存事務を含む

○ 市域内の地方税は、道府県税も合わせすべて一元的に賦課徴収する。

・現行の地方税制度は、事務・権限に関わりなく画一的であり、大都市の役 割に応じたものとなっていないため、受益と負担の関係に対応した新たな地 方税制度の創設が必要とされている。

(12)

7

○ 新たな役割分担に応じ、国からの税源移譲による財源の確保を図る。

○ 行政区制度を基本としつつ、住民自治、住民参加機能を充実させるために、 区役所機能の強化等、都市内分権を推進する。

・大都市の一体性を維持し、効率的・効果的な行財政運営を図りつつも、住 民自治・住民参加機能を充実させるための取組が必要。

○ 広域防災や環境対策などの広域的課題で、広域自治体が補完している事業 については、特別自治市を中心とした基礎自治体間の水平連携による対応を 推進する。(圏域行政の推進)

イ 効果

○ 住民の利便性が向上

国や道府県と指定都市で分かれていたり類似している事務を統合し、窓口 を一本化することにより、住民の利便性が向上する。

○ 行政全体のコストを削減

国や道府県と指定都市とで重複している事務を統合することにより、事務 の効率化及び組織の簡素化が図られ、職員や経費の削減が可能となる。

○ 地域の実情に応じた柔軟性のある行政の推進

行政サービスを特別自治市単独で行うのか、広域自治体と共同で行うのか、 基礎自治体の連携で行うのかなど、国の制度設計に拠ることなく、住民に最 も身近な基礎自治体でもある特別自治市が大都市圏の実情に応じて柔軟に選 択する。

○ 財政の自立

税源移譲により、国税の一部と市域内のすべての地方税を特別自治市の歳 入にすることにより、都市基盤の整備・更新や少子高齢化対策など、大都市 特有の課題や行政需要に的確に対応することができる。

○ 日本全体の経済成長を牽引

特別自治市が市域の都市経営を一元的に担い、さらに周辺基礎自治体との 連携を強めることにより、大都市圏が日本全体の経済成長を牽引するエンジ ンとなり、国民の生活を豊かにする。

○ 東京一極集中の是正・大規模災害時のリスク分散

大都市が地域の核として全国に存在することで、日本全体の発展や大規模 災害時のリスク分散につながる。

(参考) 神奈川県内においては、本年 3 月に横浜市が「横浜特別自治市大綱」を策定し たほか、川崎市においても本年 5 月に『川崎市「特別自治市」制度の基本的な考 え方』を公表するなど、大都市のめざすべき姿を実現するための多様な大都市制 度が提案されている。

(13)

8

[検証] 「特別自治市」移行が県財政等に与える影響

本市が市域分の地方税を一元的に賦課徴収することにより、県の収入の相当程度が 減少し、県が行う県内市町村への各種行政サービスや施設整備等の事業に影響が出る のではないかとの懸念が指摘されることがある。

そこで、本市が市域内のすべての地方税を一元的に賦課徴収した場合の県内市町村 への影響の有無について、以下の(1)~(3)の通り、財政力指数等の客観的な指標によ り検討を行ったところ、次のような結論を得た。

○ 市域内の地方税をすべて一元的に賦課徴収することになっても、県並びに県 内の他の市町村への財政的影響は少ないものと考えられる。

○ 現在、県内では大都市と他の市町村には大きな財政力格差はなく、大都市が 県から独立することになっても、他の市町村の利益が損なわれることはないと 推定される。

ア 市域内の県税収入額の割合と人口の割合

表1より神奈川県の県税収入額(約1兆円)に占める本市域の県税収入額(約 690億円)の割合は約6.9%である。一方、神奈川県の人口(約900万人)に占め る本市の人口(約72万人)の割合は約7.9%である。

県予算においては、各市町村別の歳出額が明らかでなく、市域内の県税収入額 と歳出額を直接比べることはできないものの、教育や警察業務をはじめとする人 的な行政サービスは市民生活と切り離せない部分が多いことから、県の歳出額に 占める各市町村域内の歳出額の割合も概ね人口に比例していると考えると、本市 域内における歳出額の割合も約7.9%程度と推測できる。

このことからも、本市においては、県税収入額の割合が人口の割合を 1%程度 下回るため、市域内の地方税を一元的に賦課徴収しても、県内の他市町村に与え る影響は少ないものと考えられる。

1 県税額の市町村別構成比と人口構成比一覧(H22年度決算) (百万円・人・%)

市町村名

県税額(A) 市町村税額(B) H22.10.1人口(C) 構成比率 構成比 構成比 構成比 (A)÷(C) (B)÷(C) 998,934 100.0 1,616,235 100.0 9,048,331 100.0 - 439,319 43.98 700,675 43.35 3,688,773 40.77 1.08 1.06 157,398 15.76 281,991 17.45 1,425,512 15.75 1.00 1.11

69,221 6.93 106,913 6.61 717,544 7.93 0.87 0.83

40,753 4.08 63,560 3.93 418,325 4.62 0.88 0.85

29,855 2.99 43,231 2.67 260,780 2.88 1.04 0.93

20,404 2.04 34,819 2.15 174,314 1.93 1.06 1.11

42,066 4.21 72,637 4.49 409,657 4.52 0.93 0.99

20,378 2.04 32,099 1.99 198,327 2.19 0.93 0.91

20,688 2.07 34,193 2.12 235,081 2.60 0.80 0.82

5,691 0.57 9,719 0.60 58,302 0.64 0.89 0.94

3,750 0.38 6,630 0.41 48,352 0.53 0.72 0.77

(14)

9

15,601 1.56 23,499 1.45 170,145 1.88 0.83 0.77

29,156 2.92 42,556 2.63 224,420 2.48 1.18 1.06

23,659 2.37 34,323 2.12 228,186 2.52 0.94 0.84

10,667 1.07 15,687 0.97 101,039 1.12 0.96 0.87

13,941 1.40 20,756 1.31 127,707 1.41 0.99 0.93

11,531 1.15 17,261 1.28 129,436 1.43 0.80 0.90

4,020 0.40 7,572 0.47 44,020 0.49 0.82 0.96

8,729 0.87 13,041 0.81 83,167 0.92 0.95 0.88

3,210 0.32 5,680 0.35 32,766 0.36 0.89 0.97

5,168 0.52 8,541 0.53 47,672 0.53 0.98 1.00

3,186 0.32 5,030 0.31 33,032 0.37 0.86 0.84

2,604 0.26 3,715 0.23 29,522 0.33 0.79 0.70

2,303 0.23 2,983 0.18 10,010 0.11 2.09 1.64

1,659 0.17 2,782 0.17 17,972 0.20 0.85 0.85

1,158 0.12 1,608 0.10 11,676 0.13 0.95 0.77

1,258 0.13 2,025 0.13 11,764 0.13 1.00 1.00

1,565 0.16 2,612 0.16 16,369 0.18 0.89 0.89

2,065 0.21 6,374 0.39 13,853 0.15 1.40 2.60

663 0.07 1,039 0.06 8,212 0.09 0.78 0.67

2,224 0.22 4,014 0.25 26,848 0.30 0.73 0.83

4,682 0.47 7,282 0.45 42,089 0.47 1.00 0.96

366 0.04 1,389 0.09 3,459 0.04 1.00 2.25

出典: (A)県税統計書(神奈川県作成) 6編「6 県税決算額の市町村別税収額(推計)」

(B)市町村要覧(神奈川県作成) 2部 09財政状況 (3)決算における税収の状況

(C)H22国勢調査人口

注:表示単位未満を四捨五入しているため、市町村ごとの合計が一致しない場合がある。

イ 人口構成比に対する県税額の市町村別構成比の割合

1の市町村別の県税額の構成比を人口構成比で除して、グラフ化し、数値が 大きい順に並べたものが表2である。左側に位置する市町村ほど人口規模に比べ て県税額が多いことを示している。この表からも、神奈川県においては税源が大 都市地域に偏在しているとは言えないと考えられる。

2 人口構成比に対する県税額の市町村別構成比の割合

(15)

10

ウ 県内市町村の財政力指数

表3は県内33市町村の財政力指数

を高い順に並べたものであり、本市は県内 で中位(高い方から16番目)に位置していることがわかる。また、神奈川県内に は全体的に財政力指数が高く、自立的な都市経営が可能な市町村が多いこともわ かる。

財政力指数は、地方公共団体の財政力を示す指数で、基準財政収入額(地方公共団体の標 準的な税収入をもとに算定した額)を基準財政需要額(地方公共団体の標準的な行政サービ スに必要な額)で除した指数。1を超える団体は地方交付税の交付を受けない。

3 県内市町村の財政力指数一覧(平成23年度)

出典:総務省「平成23年度 市町村別決算状況調」を基に作成

(16)

11

3 本市のめざすべき基本方向

以上の検討結果を踏まえ、本市のめざすべき基本方向を次のようにまとめた。 (1) 「特別自治市」制度の早期創設を推進

○ 市民サービスの向上と都市の活性化のため、大都市のあるべき姿としての

「特別自治市」制度の早期創設を推進する。

○ 本市においても、少子高齢化への対応や首都圏南西部をリードする広域交 流拠点都市として、近隣自治体との圏域全体の発展を担ううえにおいても、 国・広域自治体・基礎自治体の明確な役割分担による、さらなる事務権限の 移譲と、これに見合う自由度の高い税財源の確保が大きな課題となっている。

○ 本市では、真の地方分権改革の実現に向け、大都市としての主張をより機 動的・効果的に表明してきた指定都市市長会が提案する「特別自治市」を基 本に、大都市制度の創設を目指す。

○ 現在、議論が進められている道州制を視野に入れ、指定都市市長会など他 都市との協調による調査・研究や国等への要望を行うなど、新たな大都市制 度の創設に向けた取組を進める。

(2) 特別自治市実現までの間の取組

「特別自治市」の制度創設に向け、他都市と連携し国への要望等を行うととも に、県等からの事務権限の移譲や税財源の確保に向けた取組をさらに進め、実 質的に特別自治市に近づけていく。

ア 事務権限と税財源の確保

○ 当面は、自主的・自立的な都市経営と市民の利便性の向上に向け、県から の積極的な権限・税財源移譲(一部は国権限を含む)の取組をさらに進め、

「実質的な特別自治市」へと近づけていくこととする。

基礎自治体

基礎自治体

基礎自治体

現行 本市のめざすべき基本方向

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12

○ 主にまちづくり(土地利用)に関連する都市計画の決定や農地転用許可、 子育てに関連する私立幼稚園や認定こども園の設置認可、教育に関連する県 費負担教職員の給与等の負担や定数・学級編制基準の決定などに関する包括 的な権限とそれに見合う税財源の移譲を求めていく。

○ 本市の施策・事業と県の現行業務との間の課題について、包括的な視点で 精査を進める。

イ 道州など広域自治体が担うべき業務の検討

○ 広域での事務処理方法の有効性を検証しつつ、当面は、広域自治体との役 割分担の整理を進めていく。

○ 業務の効率性や効果などの観点から、広域自治体が担うべき業務の範囲に ついて検討するとともに、広域自治体への負担金方式の可能性等についても あわせて検討する。

<具体的な業務例>

・環境対策

・上水道業務

・警察業務

ウ 圏域行政を推進

○ 広域連携をさらに進めていくためには、現行の地方自治法の制度に加えよ り柔軟な連携を可能とする仕組みの構築を検討していく必要がある。なお、 将来的には関係市町村の参画のもと、圏域を対象区域とする総合的な計画の 策定なども検討していく。

○ 地域経済振興、自然保護など、市民生活に密着した分野で都市間連携を進 め、県内のみならず都県を越えた近隣自治体との公共施設の共同利用等も含 め、幅広い検討を行う。

○ 特に本市は、広域交通ネットワークの充実による立地ポテンシャルを活用 しつつ、業務・商業・文化などの多様な都市機能の集積を図り、首都県南西 部をリードする広域交流拠点都市としての役割と責任を果たしていく必要が ある。

エ 都市内分権による住民自治のさらなる充実

○ 地域課題を一体的・総合的に解決するとともに、市域全体の発展を強力に 推進していくためには、東京都における「特別区」のような新たな自治体を つくるのではなく、都市としての一体性を持った行政運営を行える現行の行 政区制度の特性をより生かしていくことが効果的である。

○ 各区の特性に応じたまちづくりを進め、都市としての資源・ポテンシャル を最大限に活用するため、現行の行政区制度における住民自治のさらなる充

(18)

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実と、より効果的・効率的な都市内分権の仕組みの構築について、引き続き 検討を進める。

○ より身近な場所での行政サービスの提供及び市民主体のまちづくりを推進 するため、本庁機能を見直しつつ、区役所の機能強化を図る。

(参考) 国の第30次地方制度調査会答申(平成25625日)における大都市制度改革関連部分 の概要は次のとおりである。

特別市(仮称)

について、その区域内においてはいわゆる「二重行政」が完全に解消さ れる等の点で大きな意義を有するとしつつ、さらに検討すべき課題(住民代表機能をもつ 区のあり方等)が存在することから、当面の対応として、まずは都道府県から指定都市へ の事務と税財源の移譲を可能な限り進め、実質的に特別市(仮称)に近づけることを目指 す必要があるとしている。

事務移譲については、指定都市が処理できるものについては、できるだけ指定都市に移 譲することによって、同種の事務を処理する主体を極力一元化することが必要とし、既に 地方分権改革推進委員会第1次勧告によって都道府県から指定都市等へ移譲対象とされた にもかかわらず移譲されていない事務を中心に、指定都市に移譲されていない事務全般に わたって検討の対象とすべきであるとしている。

税財源の配分については、事務の移譲により指定都市に新たに生じる財政負担について は、適切な財政措置を講じる必要があり、県費負担教職員の給与負担等まとまった財政負 担が生じる場合には、税源の配分も含めて財政措置のあり方を検討すべきとしている。 都市内分権による住民自治の強化については、とりわけ人口が非常に多い指定都市にお

いては、住民に身近な行政サービスについて住民により近い単位で提供する「都市内分権」 により住民自治を強化するため、区の役割を拡充することとすべきとしている。

※特別市(仮称)とは、特別自治市を指している。

今後の進め方

○ 引き続き、指定都市市長会等を通じて、特別自治市制度の早期創設を推進して いく。あわせて、国の第 30 次地方制度調査会の答申を踏まえた大都市の事務権 限等の拡充に的確に対応しながら、特別自治市を基本に本市にふさわしい大都市 制度のあり方を検討していく。

○ 地方行財政制度等を専門とする有識者を交えた議論の場を設けるなど、これま での検討結果を基礎にさらに深化させる。また、これらの検討成果について、市 民への情報提供・情報共有の手法についても検討を進める。

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相模原市

企画財政局 企画部 広域行政課

〒252-5277 相模原市中央区中央 2-11-15

参照

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